【事例紹介】女性特有の健康課題を学ぶ研修を実施(生理痛体験付き)
- Tatsuya Kubota
- 8月5日
- 読了時間: 4分
こんにちは!開業保健師・公認心理師の久保田千紘です。
女性従業員が抱える「生理」「PMS」「更年期」「不妊治療」などの健康課題。
これらは業務パフォーマンスやキャリア継続に影響を与える“見えにくい壁”です。
株式会社武蔵野様では、健康経営の一環として、女性特有の健康課題に関する研修を全社員向けに開催。
さらに、生理痛体験キットを導入し、管理職の理解を深める実践的な取り組みも行いました。
🔹健康経営ホワイト500取得企業が取り組んだ全社員研修
今回の研修は、なんと年に2回しかない全社員勉強会のうちの1枠としてお時間をいただきました。
そこに、株式会社武蔵野様が「本気で働きやすい職場づくり」に取り組まれている姿勢が強く感じられました。
🔹 研修内容:キャリアと健康課題をつなぐ視点
本研修では、以下のテーマを扱いました:
生理・PMS(月経前症候群)
更年期障害
妊娠・出産・育児
不妊治療
これらはすべて、女性のキャリア形成において、計画的に乗り越える必要のある「健康の壁」とも言えます。

また、国内外の先行研究では、
生理や更年期に関する知識を得てリテラシーが高まることで、女性本人のパフォーマンスが大きく向上する
ことが明らかになっています。
だからこそ、全社をあげてこのような健康教育に取り組むことが、企業の生産性向上にも直結するのです。
🔹 生理痛体験キットを導入|共感を生む職場づくりの第一歩
今回は株式会社マイナビ様のご協力のもと、生理痛体験キットをお借りしました。
講義の途中では、実際に女性職員を部下に持つ管理職の方2名に、全社員の前で体験いただく時間を設けました。
体験後は「こんなに辛いとは思わなかった」と率直な声も。
また、休憩時間にも希望者が殺到し、多くの職員の方々に体験いただきました。
"体験を通じた共感"が、知識以上に心を動かすことを改めて実感しました。
🔹 「職場の女性の働きやすさは何点?」グループワークで意識改革
研修の最後には、4人1グループでのワークショップを実施。
「あなたの職場の“女性の働きやすさ”は何点(10点満点)?」
「あと1点上げるためにはどうすればいい?」
その場で出た平均点は…
📍 平均4.8点(中央値5点/最頻値3点)
「育休・産休は取りやすいが、それ以外の健康課題への配慮は薄い」「制度はあるが、知られていない・使いにくい」 「男性上司には伝えづらい」
といった“制度と現実のギャップ”が多くの部署で浮き彫りとなりました。
改善に向けた具体案として挙がった内容:
制度面
F休暇(生理休暇)の有給化
不妊治療・ピルの費用補助
テレワーク・フレックスの導入
職場環境
休憩スペースの設置
エアコン温度の調整
生理用品の設置
コミュニケーション
男性管理職への教育機会の提供
詮索しない風土の醸成
女性が相談しやすい体制整備
多くのグループから「これをきっかけに制度や体制を見直していきたい」という前向きな声が上がったことも、大きな成果でした。
🔹健康経営の実践として、女性特有の健康課題研修をおすすめする理由
講師である私自身、生理痛はありませんが、PMSとして眠気や便秘に悩まされることがあります。
つまり、同じ女性でも症状や悩みは千差万別。
だからこそ、
お互いを知ろうとする姿勢
制度だけでなく風土の改善
上司・同僚の理解を深める機会
がとても大切です。
🔹 今後の取り組みへ
研修後、ご担当者様からは
「今回出た意見を参考に、制度や体制を整えていきたい」
という力強いお言葉をいただきました。企業の健康経営における実践的な取り組みに、微力ながらお力添えできたことを大変光栄に思います。
🔹 写真・アンケート結果について
本記事の写真およびアンケート結果は、株式会社武蔵野様より掲載許可をいただいております。
🔹 最後に
「生理痛」や「更年期」は、キャリアと地続きの健康課題。
こうしたテーマに全社員で向き合う企業は、確実に“次のステージ”へ進んでいます。
今後も、女性の健康課題に寄り添う企業研修を通じて、働きやすく、離職の少ない職場づくりを支援してまいります🔥



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