88.3%が高評価!でも落ち込んだ理由──健康教育研修を振り返って気づいた「届けたい人に届く」ための視点とは
- Tatsuya Kubota
- 6月18日
- 読了時間: 6分
実は、少し落ち込んでいました😢
こんにちは。開業保健師・公認心理師の久保田千紘です。
先日、とある企業様で健康教育研修を実施しました。
終了後に参加者の皆さんから寄せられたフィードバックを拝見して…
実は、ちょっぴり落ち込みました。
全体の評価はとても良くて、88.3%の方が「非常に良かった」「良かった」等と回答してくださいました✨
それでもやっぱり、「物足りなかった」「もっと深掘りしてほしかった」といったお声が一部にあって…。
講師という立場だと、やっぱりその“ネガティブな声”に引っ張られてしまうんですよね。
みなさんも、仕事で一生懸命取り組んだあとに、ちょっとした指摘に心がズーンと重くなった経験…ありませんか?😔

健康教育は“万人向け”──だからこそ難しい💡
でも、少し冷静になって振り返ってみると、「これは当然のことかも」と思えるようになりました。
今回の研修は、全職員を対象とした“全体向けの健康教育”。
つまり、個別の健康相談ではなく、集団に向けた「ポピュレーションアプローチ」です。
たとえば、すでに健康意識が高い方や、自分なりの習慣を確立されている方にとっては、「目新しさがなかったなぁ」「ちょっと物足りなかったかも」と感じられたのかもしれません。
でも、今回の大切な目的は、これまで健康に無関心だった人に“一歩を踏み出してもらうきっかけ”を届けること🌱
それが、公衆衛生の真髄であり、保健師として私が一番大切にしている想いなんです。
健康教育は“両輪”で動くもの🚲
公衆衛生の世界では、2つの大切なアプローチがあります。
🔸ポピュレーションアプローチ:集団全体の健康意識を底上げする
🔸ハイリスクアプローチ:すでにリスクが高い方に、個別で丁寧な支援をする
企業における健康経営でも、この両輪を回すことがとても重要です。

たとえば今回のような研修で全体の意識を底上げしつつ、必要な方(ハイリスクな方)には別途、個別支援(保健指導や面談など)を組み合わせていく。
そうすることで、職場全体の健康リテラシーが着実に育っていきます🌸
健康経営と連動すると、取り組みに意味が生まれる📊
今回の企業様は、健康経営にもとても熱心に取り組んでおられます👏
たとえば…
✅ 従業員向け健康意識アンケート
✅ スコアリングレポート(事業所カルテ)
✅ 朝食欠食率のモニタリングと改善の定点観測
など、「測る → 振り返る → 改善する」というPDCAサイクルをしっかり回していらっしゃいます。
こうした“数字で見える化”された取り組みは、社員の皆さんのモチベーションにもつながりますし、経営層にとっても説得力があります📈
今年度も引き続き、データ分析を通じて、職場の健康課題にしっかり向き合っていく予定です。
保健師×心理師×健康経営アドバイザーの三位一体📊
私自身は、保健師・公認心理師であると同時に、健康経営エキスパートアドバイザーとしての視点も持っています。
💼 集団を見る力(公衆衛生の専門性)
👂 心と身体に寄り添う力(心理師としての支援)
📊 経営とつなげる力(施策とデータを結ぶ視点)
この3つの視点を掛け合わせながら企業と関わっていけるのが、私の強みです。
ただの“学び”で終わらせない。「行動変容」がゴール🏃♀️✨
私が大切にしているのは、「いい話を聞いたな~」で終わらない研修です。
目指すのは、日常のちょっとした選択を変える “行動変容”。
今回も、参加者の皆さんからうれしい声をたくさんいただきました!一部をご紹介します
✅【行動変容コメント:抜粋と要約】
💬 具体的な健康目標を3つ立てた!
「朝食を食べる(和食中心)、20分歩く、6時半に起きる」
👉その日から始めようという意欲が伝わってきます✨
💬朝食の“質”を高めたい!
「毎日朝食を食べているけど、栄養バランスをもっと意識したい」
👉習慣を「質」で磨く姿勢、すばらしいです👏
💬朝食を整えたら、睡眠も見直したくなった!
「何時に寝て、何時に起きるか、逆算するようになった」
👉1つの行動が他の習慣を引き寄せている好例です😊
💬たんぱく質を意識した朝食に!
「味噌汁に加えて焼き魚など、もう一品プラス」
👉学んだことを早速朝ごはんに反映していて素晴らしい🍚🐟
💬朝食・運動・睡眠の3つにチャレンジ!
「朝食を食べる、22時までに寝る、週3回運動する」
👉生活全体を整えようとする姿勢が見えますね💪✨
💬完璧主義を手放して“できる範囲で”実行!
「週に1回でも朝食を摂る努力をしてみたい」
👉“できることから少しずつ”が一番続きます🍀
これらの行動は、決して難しいことではありません。
けれど、“知っている”だけでは行動にはつながらないのが人間です。
だからこそ私は、研修の中でこんな工夫をしています:
✔ 「これならできそう」と思える 小さなアクション例を紹介
✔ 具体的にやることを選んで記入する アクションプランシートの活用
✔ 「自分なりに応用してOK」と伝えることで、 完璧主義をゆるめる声かけ
行動変容を生む研修は、企業にとって「健康経営の成果」としても可視化できる重要な要素です。
この視点を持つことは、研修講師としてだけでなく、健康経営コンサルタントとしての価値提供にも直結していると感じています。
最後に:少し落ち込んだけど、前を向けた理由🌈
「全員に満足してもらえる研修にしなきゃ」と思うと、どうしても内容がぼやけてしまいます。
でも私はポピュレーションアプローチとしてこれまで健康に無関心だった方”の一歩を引き出すことにこそ、意味があると信じています。
そう思えるようになったのは、真剣に向き合ってくださった参加者の皆さん、研修ご担当者様、そして、研修後に寄せられたたくさんのあたたかいコメントのおかげです🌼
来月もまた、別の企業様での健康教育研修が控えています。
「小さな変化」が、「誰かの人生の軌道」を変えるかもしれない。
そんな思いを胸に、これからも研修を届けていきます。
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【追記】健康経営、何から始めたらいいか迷ったら…
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担当:NOVE株式会社 久保田
お忙しい中、最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます!



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